2015/03/09

4月号〈フード編2〉キラキラネームな和菓子?「T五」にせまる!





キラキラネームな和菓子?

「T五」にせまる!




T五との出会い



3/14北陸新幹線の開通とともに石川金沢・富山への関心が高まりを見せている。
ある雑誌の特集の中に、一際目立つ名前のお菓子があった。

富山県の薄氷本舗五郎丸屋の「T五(ティーゴ)」だ。
観光庁主催の”世界にも通用する食の「究極のお土産」プロジェクト”にも選ばれた逸品。

5つの「TONE / 色」と「TASTE / 味わい」という事でT五と名付けられたらしい。
アルファベットと漢字の組み合わせが新しすぎて、どんな食べ物なのか想像がつかない。



そう思っていた矢先、東京駅前の日本郵政の商業施設 KITTE で「富山week」を開催しており、「T五」を実際目にすることができた。







KITTEにて



KITTEにて



さっそく商品を買い、封を開けてみると一面青みがかった風景の写真。そこにはコンセプトの説明と味の説明が書かれていた。包み紙は長方形に色分けられ幾何学的だ。











お菓子は大事に厚い綿に挟まれていた。







桜(塩味)、抹茶(苦味)、柚子(酸味)、和三盆(甘味)、胡麻(滋味)の五つの味と色に分けられている。

食感はマカロンの表皮を薄く乾燥させたような感じで、口にくわえるとパキっと割れる。
優しい砂糖菓子といったところで、日本茶に合いそうである。

大事に大事に味わって食べるお菓子という趣を感じさせる。




ネーミングのコツが見えてくる



ところで、「T五」というネーミングだが、実に日本人らしい気もする。

日本人は英語から和製英語を作りだし、時として造語にしたりして独自の言葉を持つ。
「T五」は日本人のセンスを活かしたネーミングと言えよう。

商品の名前をつけるとき、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット(英語)と選択肢が多い日本。

「T五」は「T5」とできたはずだが、なぜそうしなかったのか。
それは和菓子という事もさることながら、五郎丸屋という製造元の名前がもつ「五」という字があったからだろう。

親が子供に自身の字を入れるように、商品に愛情や期待を込めたにちがいない。
そこへ色々な「五」(―五色、五味)を入れてリンクさせて行くことで強調していく。

そして「T」は、日本人の英字への憧れを刺激する。

例えば、英字新聞の包み紙や英字の入ったTシャツは、外国を纏うような気にさせてくれる。ハイセンスな気持ちにさせてくれる。


アルファベットと漢字の組み合わせが、目新しく目に留まり、斬新な音が脳へ響く。

パソコンの文字化けのようにも見え、見た人の頭を混乱させ、逆に興味を抱かせるのだ。
ここに一つ、ネーミングのコツがあるように思える。

「頭を混乱させる」のがポイントで、すぐに読めて短く簡単な文字ほどいい。

まずは商品の要素を書き出して、ひらがな、カタカナ、漢字、英字に変換して組み合わせていってみるといい。
そして面白い音の響きや文字の共通点を見つけていく。

いくつかできたら、インターネットでまず検索してみることをおすすめする。
もしかしたら、似たような名前がすでに発表させているかもしれないからだ。
せっかくの商品が間違えられないように、また唯一無二の商品になるよう現代のツールを最大限活かしていくと良いだろう。